? 越後三条鍛冶伝承「あぐりの蔵」|現代に受け継がれる 匠の技

匠の技

匠の技

この地、越後三条はいにしえのころより鍛冶文化が生まれた地域。
匠の技とは、古来より受け継がれてきた経験と知恵から生み出されるものです。
鍛冶の会得は一朝一夕でできるものではありません。
鋼と共に炎に向き合い鍛錬を繰り返し、寸分の狂いもなく形にしていく。
一つ一つ納得のいく製品を仕上げるため、一瞬一瞬の打つ手にはベテランでも気を抜けないという。
知れば知るほど奥が深く、まさに鍛冶探求に終わりはない世界。

残念ながら三条鍛冶商品は、その評価は高くても安く販売されてきました。
更に近年の機械化や大量生産時代に移り、多様化するニーズに対応できない職人たちが
次々と廃業を余儀なくされました。
しかしながら、平成21年4月、越後三条鍛冶集団の作る越後三条刃物が
国より「伝統的工芸品」に指定されるや否や、三条刃物の製品知名度が全国的に広がり、
世界的にも広く認められるまでになりました。

あぐりの蔵は、「三条の鍛冶文化や伝統を守り、後世に伝えたい」
そうした気持ちを持ちながら、作り手の思いと共に製品を提供して参ります。

包丁が出来るまで


火造り

加熱~鍛接~鍛造~ならし打ち
材料の鋼鉄を赤めてたたき、鍛えながら 包丁の大まかな形を作っていきます。
終わった後、 再び加熱し、ゆっくり冷やすことで炭化物の球状化や鍛造によるストレスを除きます。

  


成形

成形~焼き入れ・焼き戻し
プレスや切断機(押し切り)・グラインダーを使い、包丁の成型を行います。その後、素材に応じた温度に加熱し、水や油で急冷する事で鋼材は硬くなり、切れる鋼になります。さらに150~220℃に再加熱すると鋼はねばり強くなります。焼入でできた歪(ひず)みをたがねでたたいて直します。

  


仕上げ

刀砥ぎ~仕上げ磨き~柄入れ~刻印入れ
自動研削機により余分な部分を削り取り厚みを整えていき、研ぎで出た歪みをそのつど取り除きながら、研棒(とぎぼう)という冶具に取り付け、切れる状態に研ぎ上げていきます。
仕上げの磨きを行い、柄尻(えじり)を木槌でたたいて柄付けを行った後、刃の欠けなどを最終チェックし、出荷します。

  

【黒打】 昔ながらの黒い部分を残した本鍛造仕上げ。
磨き仕上げに比べて錆びにくい。
【黒鎚目】 ハンマーで打ち鍛えた鎚目仕上げ。刃身が引き締まりより切れ味が増します。
鎚目のため、切った時の素材の刃離れが良くサビも目立ちにくい特長があります。
【磨き】 黒打刃の全身を丁寧に磨き上げた仕上げ。
厚物刃物に多く使われ、上品で高級感が出る。
【梨地】 果物の梨の表面のようなザラザラした質感を由来とした、昔ながらの風合いを持たせた仕上げ。
切った時の素材の刃離れが良い。
【積層】 繰り返し折りたたみ重ね合わせた積層(ダマスカス模様)の地鉄に鋼付けし、打ち鍛えた逸品。
表面をしっかりと磨き上げた独特の波紋は同じものが二度と出来ません。

包丁の素材

【白紙鋼】 日立金属製の高級刃物鋼。包丁やナタ、その他多くの刃物に使われています。
砥ぎ易く、シャープな切れ味が持続するのが特長です。
【青紙鋼】 白紙鋼に摩耗性と粘りを出した最高級刃物。焼き入れは白紙より難しく、価格も高価だが、
高度と切れ味は最高クラス。
【V2鋼】 武生特殊鋼材製の高級刃物鋼。
日立金属製の白紙鋼と同等品です。
【SK鋼】 日立金属製の一般刃物鋼。切れ味の持続性は白紙に比べやや劣りますが、かけにくい特長があります。
【SKD鋼】
(DPクロマックス鋼)
JIS規格名はSKD-12と呼ばれるセミステンレス鋼。
白紙や青紙などの炭素鋼並みの硬さと粘りがある特殊鋼で錆びにくいのが特長。
日本刀のような抜群の切れ味を誇り、鋭い切れ味が長時間持続します。
【V金鋼】 武生特殊鋼材製のステンレス鋼。切れ味の持続性はSKD鋼に比べやや劣りますが、
錆びには大変強い鋼です。
【SD鋼】
(スウェーデン鋼)
やわらかく研ぎやすい。切れ味が持続するステンレス刃物鋼。
【MV鋼】
(モリブデン・バナジューム鋼)
錆びに強く、医療メスの材質にも使用されるステンレス刃物鋼。
耐久性にも優れております。

素材の特長
一般的な目安としてお考えください。

切れ味 永切れ 砥ぎ易さ 錆び難さ
鉄+青紙鋼
鉄+白紙鋼
鉄+V2鋼
鉄+SK鋼
ステンレス+白紙鋼
ステンレス+SKD鋼
ステンレス+スウェーデン鋼
ステンレス+V金鋼
ステンレス+MV鋼
ステンレス刃物鋼

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